駆け出しコンサル、寝ながら殖やす

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給与にメリハリをつけたいのなら、上げることよりも下げることを考えることが重要

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人事コンサルの現場にいると、先方から「給与のメリハリを出したい」という要望が多くあります。ただやりたい事の中身は「できる人の給与を上げて、できない人はステイ」が多いように思います。果たしてそれは本当に「メリハリ」なのかと疑問が出てきました。

 

 

イマイチ分からない給与のメリハリ

給与を上げるためにコンサルを使う意味

正直、給与のメリハリをつけたいというのが、「給与を上げたい」ということなのであれば、コンサルを雇う必要があるのか疑問です。無論コンサルには「高級派遣」としての機能があり、企画と作業のアウトソースとしては使えます。しかし人事制度において、給与を下げる場面では法的なリスクが存在するために、色々と模索する必要がありますが、給与を上げることについては好き放題できる訳です。今の社員の給与を倍にしようが3倍にしようが、何ら法律に触れる訳でも国から怒られる訳ではないので、コンサルを雇って世間の水準など調べさせて、、、なんてことやるのであれば自分たちでやった方が安いよね、と思います。コンサルが特殊な情報を持っているというのは誤認で、グーグル先生が全て知っています、というのが今の情報社会。(ただ属人的な経験に基づくような知識については例外です。)給与水準を上げたければ、ご自身で給与テーブルを書き変えて、ご対応下さればと思います。

できる人の給与を上げる事でメリハリをつけたい

日本では月給の減額はハードルが高く、下げ幅が大きく裁判沙汰となった場合は、会社が負ける可能性があります。しかもその下げ幅も40,50%というような水準ではなく、10,20%という世界で、個別で見ればほぼ給与は下げられないと言えます。

その中で給与にメリハリを、となると自ずと上げることを考えざるを得ず、できる人にはもっと給与を払いたいというもっともらしい口実になって出てくるでしょう。

できない人はステイして、給与を下げたくは無い

成長盛りで今後も利益が伸び続けるような会社であれば良いのですが、概ね前年通りの業績が続くような企業において、給与を上げることでモチベーションを高め、利益を伸ばそうなどという順序が逆の発想で給与改定をするのは大丈夫なのか。恐らく中長期的には利益が減って、全社員の給与を下げるようなことにもなりかねません。働き方や仕事の成果が変わらず、勝手に給与を引き上げられて「これからもっと頑張ろう」なんて思う人が多いのでしょうか。感覚ではありますが、「ありがとう、これからも今まで通り頑張ります」で終わると思います。これでは人件費の比率は上がりませんか・・・?

月給を下げにくい国なので、「評価」の側面においては、信賞必罰によるメッセージの方が、給与の絶対額より重要だと思います。暮らしていくのに支障が出る給与水準なのであれば上げるべきですが、人並みの給与が払えている会社において、給与の絶対額の競争を仕掛けるとあまりいいことは無いように思います。給与で会社を比べられると、給与の高い方に移っていくということが起こり、人材の定着率も悪化するのではないでしょうか。

できない人はステイで、といいますが、その給与原資は誰が稼いでいるかということです。組織運営上、上位の数%が残り全員を食わせている状態なので、できる人の給与を上げる分、誰かの給与を下げないと経営指標が悪化します。信賞必罰で、できる人をほめたたえるだけでなく、できていない人間には何ができていないのか、できなかった結果どうなるのかを示すことでもメリハリは付けられると思います。それが減給1%でも2%でも構いません。とにかく実害として下げることは温情抜きにしたほうが、金銭問題だけでなく、会社の全社員に対するメッセージともなります。

会社の思想はどの方向か

できない人間を冷遇するのか、救うのか

外資系のコンサルではできなければ首が飛ぶ様ですが、企業によって人材の扱い方はそれぞれです。外資系コンサルでは辞める人間も多いですが、入ってくる人も多い。太い人材の移動の流れの中で、できる人を濾していくようなイメージだと思います。リクルートも辞める人が多いですが、むしろ人材輩出企業としてその人材流動性の高さがブランドのようになっています。

できる人にはどういう待遇をする企業なのか、できない人に対してはどう対応する企業なのか。それは各々の企業が決めるべき正解のない思想の問題です。

※辞める動機にはプラスとマイナスがありますが、本人や社会にとってプラスの方が大きいからこそ正当化できます。使い潰すだけの企業は非人道的だと思います。

良いとこ取りはできない

美味しい所だけを食べることはできません。利益のパイが増えない中で、できる人だろうができない人だろうが、給与を上げようと思ったら誰かの給与を減らさないと帳尻が合わなくなります。人事部単体だと経営指標の責任までは問われないのでしょうが、会社が無くなってはどんな制度も意味がありません。制度を改定するときは、良い所だけを考えるのではなく、むしろ最悪のパターンを考えることが重要だと思います。最悪のパターンさえ許容できるものにしておけば、その逆である良いことは同じ幅だけできるはずです。