分配金が高利回りで人気のJ-REITですが、実物不動産に裏付けられているために安定感がありそうですが、コロナショックも含めてそのリスクの高さは気を付けなくてはいけないと思った次第です。
REITの価格変動は大きい
今回のコロナショックでは50%程度まで急落し、株式以上に値下がりするという破壊的な価格変動を目の当たりにしました。
だから私は今回個別銘柄を買っている、ということでもありますが、REIT自体は決して安定的な試算ではないと認識した方がよさそうです。
東証REIT指数の過去からの動きですが、リーマン、コロナとかなり大きい変動があります。
(リーマンショック時の下がり幅は強烈ですね。)
他にも200ポイント程度動いている所が数か所ありますので、正直このチャートを見る限り「安定的」という言葉は当てはまらないように思います。
REITの利回りは本当に高いと言えるか
高利回りと言われる分配金利回りの過去10年推移です。
コロナショック前の2017-2018年くらいを見ると、4%前後がREIT全体の利回りとなります。
このチャートもよろしくないなと思いますが、長期金利を載せています。
銀行預金に比べて利回りがいい、などと書いてあるものも見たことがありますが、負っているリスクが全く違うので、金利などと比べたって仕方がないというのが私の考えです。(無論、リスク把握の上で金利差と比較し妥当かどうかを判断することには意味はあるでしょう)
注目すべきは株式(東証1部)の配当利回りです。最近は株主還元の傾向から上がっているようですが、株式で2%半ばの利回りになっています。
REITが4%で、株式が2%半ば。その差は1%強となりますが、この差を見てREITの利回りが相対的に高いと言えるかは賛否分かれそうな気がします。
レバレッジ商品
REIT自体は銀行からの借り入れで不動産を買っているため、内在的にはレバレッジのかかった商品との認識です。
LTV50%であれば、その銘柄は半分借金でできているということです。
レバレッジ=高リスクと単純には当然言えませんが、やっぱり「安定」といった言葉から連想されるものとはちょっと違う感じがします。
今のLTV平均は44%のようです。これがイコールレバレッジをかけている割合になるでしょう。
一資産クラスとしての取り扱い
私はインデックス投資がメインなので、長期視点での投資の優位性は不動産<株式と考えています。
高配当株の亜流のような形でREIT単体で資産形成するのは正直ちょっと怖い気がする。
REITは増資と借金で保有資産規模を大きくしていきますが、増資の場合には投資口が希薄化されます。これは避けられないのですが、希薄化が定期的に起こるということは、それだけキャピタルゲインの可能性は一定程度摘まれるということでもあります。
基本的には株式の優位性は盤石だと思いますが、REITは数ある資産の一つとしてポートフォリオに組み入れるのが、私の好みです。