私の投資履歴書~インデックスを添えて~

モノクロさん家(チ)の運用記

全世界への長期投資で地味かつ着実に資産が形成される(予定)

無邪気にインデックス投資へ挑戦状を叩きつけても返り討ちに遭う

投資をするにあたっての基本的な考え方を改めて勉強する必要がありそうです。

 

巷に溢れる暴論

世の中は暴論で溢れかえっています。たまたま目に触れたもので驚きを隠せませんでした。あまりに色々ひどいので引用しませんが、インデックス投資と高配当株投資を比較し、①インデックスよりリターンで優れ、②生活費にも貢献させられる高配当投資に切り替えるというものです。

また①については、ここ1,2年運用している手元の高配当個別株ポートフォリオとインデックス投信を比較し、高配当個別株が含み益かつ配当があり、インデックス投信は含み損であるから、インデックスのリターンが有利とはいえないと言っています。めちゃくちゃにもほどがあるわけですが、毎年インデックスが強いと思っている、インデックス投信には分配金(配当金)が無いと思っている、など理解の誤りが感じられます。

②についても、所謂不労所得的に生活の足しにしたいのであればインデックス投信と高配当株の優劣ではなく目的の違いであり、インデックス投信が何の役にも立たないと言うのは言い過ぎであると思います。(そもそもこの点は、配当金を再投資しない点で投資利益そのものを棄損するものであり、リターンがどうという①の話とは矛盾が感じられます。)

いずれにしても、インデックス投資に挑戦状を叩きつけるのは想像以上に困難であるという事がお分かりでないように思います。

投資業界には世界レベルの秀才が集っており、その人たちが命がけで最新の情報、相場の流れ、個別の分析、テクニックを用いて投資をしています。それでもなお”長期的”にはインデックスに勝つことが難しいと言われているのです。そしてそれはみんなが分かっており、それでもなおα(インデックス以上の収益)を求めて日々戦っているということを知らないといけません。高配当だけの話ではなく、株式インデックスに対してという話であればあらゆる株の種類、取引方法(ショートなど)を含めて、確実に勝てる方法など存在しないのが世の中であると知ることが重要です。

もちろんここで、だからインデックスが良いんだというのは人の価値観にもよる所です。実際に私も含めてインデックスだけでなく個別株をする人たちは無数に存在しています。心のどこかでαを求めている、あるいは趣味として楽しいからやっている、そんな感じではないかなと思います。

インデックス投資に対する批判や反論は当然あります。インデックスが絶対無二の最高の回答ではないからです。ただし、職業投資家ではなく、凡人が凡人なりに投資でいい結果を得たいのであれば、これに勝る方法が確定的には存在しないというのが実態ではないかと思っています。それだけ突き崩すほどの論理でインデックスに立ち向かうのは現代では困難です。

無邪気にインデックス投資に挑戦状を叩きつけても、返り討ちに遭うという事です。

 

感情のまま解釈すること

改めて私自身勉強しないと、と思わせられます。たとえば高配当株最強説の根拠として背後にシーゲル教授の本があると思っています。

私は10年ほど前に読みましたので今は子細記憶に残っていないのですが、確かにこの本では高配当が1つの要素として載っているものの、決してシーゲル=高配当戦略ではなかったと記憶しています。

しかし配当に関する言及から解釈が解釈を生んで、今やこの本は高配当株投資の根幹に据えられているイメージがあります。むしろ、高配当株が最高、最良、最強と思っている方も、その元ネタがこの本の派生であることを知らないかもしれません。

まず大前提として、バリューだろうがグロースだろうが、インカムだろうがキャピタルだろうが、債券だろうが株式だろうが、FXだろうが仮想通貨だろうが、どの領域でも稼いでいる人はいます。ここで言いたいのは高配当株なんかやめちまえという事ではなく、感情的に解釈を重ねていくと全く違うものになるということです。

まず初めに不労所得が良い、配当が良い、高配当が良い、増配が良い、そういう結論があって、それを支える情報を探していく。でもそれで作り上げた論理は、だから高配当株投資がベスト、と客観的に言えない可能性があるという事です。なぜならそう言うために必要な情報しかないからです。

有象無象、様々な情報が溢れ出る今だからこそ、古典や名著にあたって確認していく地味でアナログな情報収集が大事なのかもしれません。

 

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