国会において某党議員の質問がTwitter上の表現ミスもあって話題になっていました。それはそうと、そもそもお金に色はあるのだろうか。
NISAのお金を国産SNSに?
財政金融委員会の質問でした。
— 神谷宗幣 (@jinkamiya) 2023年3月16日
NISAで集まった国民の資産で、
国産SNSの開発などを行い、
事業利益を非課税で国民に分配するような仕組みを考えて欲しいと要望しました。 pic.twitter.com/0de2C8jtdT
結論から言うと、これTwitterの文章が間違っているというか表現をミスっており、スレッドについている実際の動画を見ると意味が違うというのが分かります。この文字面だけ見ていると炎上必至ですが、言っている内容はともかくNISAのお金を勝手に使ってSNSを開発しろというようなとんでもな話ではありませんでした。(その後訂正などもないようですが、運用をしっかりしたらどうでしょう?とは思っています。)
お金の色を論じる国会
今回の件もそうですし、以前配当によって国富が海外流出、みたいな話も話題になりました。得てして反資本主義的な投資嫌い、富裕層嫌いの層からは受けが良いわけですが、そもそもお金に色があるのかと毎回思ったりしております。
今回の件も要するに国内の資本を国内で投資し、その成果を再度国内で分配する、という概念が土台かと思います。しかしそこまでして国内資本の国内循環をやり玉に挙げる必要はあるのでしょうか。
日本株を外国人が買っているというのはそうだと思いますが、海外への配当もあれば私も含めて外国株や外国債券に投資している投資家もたくさんいるわけです。その点では海外の資本を国内にもって来ているわけで、厳密な意味での±0にはならないでしょうが、構造的にはお互い様とはいえると思います。
また、何より投資をする上ではお金が増えるかというのが最も重要な関心事であって、別に愛国心や国のことを思ってボランティア的にやっている訳でもありません。シンプルにGAFAMの方がお金が増えそうだから投資している訳であって、日本株の方が稼げるのであればそちらに投資するというそれだけな気もするのです。
今回の話も投資先として挙げたビジネスが何となくセンス無いように思えて、あまり多くの方に刺さらないのだと思いますが、国が伸びそうなビジネスを特定して資金投下していくという発想が今の時代できるのかは甚だ疑わしい所ではあります。民間企業はそれこそ命を懸けてそれに取り組んでいますが、ITの世界を筆頭にそれで今の状態になっているわけです。そもそも伸びるビジネスを特定できるのであれば、GPIFでも使って投資それ自体で稼ぐ方が、ビジネスを作って回して収益上げて、という流れよりも巨額に儲かるとも思います。要は将来性を国が特定していくという事自体が極めて困難なのでは?というささやかな疑問です。
いずれにしても、国会で行われる投資関連の審議や質問というのはどこかズレている印象があり、イマイチ実のある、実効性のある、稼げる、そんな実利的な話は少ないように思います。お金に色なんか付いてはいないのです。
お金が増えるかどうかでしかない
公益資本主義が何なのか未だに分かりませんが、短期志向の経営に陥らないように四半期決算をやめるとか、正直良く分からない方向で変化球を投げたい思惑を感じずにはいられません。米国株に比して、日本株が四半期決算に命を懸けた短期志向経営をしているかと言われると全然そんなことは思わず、四半期で結果を残す米国企業の方が、長期的なビジョンも描いている印象があります。
何か奇天烈なことで価値を見出そうとしていますが、最近流行っていた(いる?)低PBR銘柄も含めて本質的な価値創出の話ではない気はしています。常に思うのは”稼げよ”ということであり、稼げない企業の株価に未来など無いという点で、求められるのはどこまで行っても収益性であると私は思うのですよね。投資をする以上、お金は増えてもらわねば困るという事です。
国会のやり取りそれ自体がレベル感を示しているように思いますが、うだうだ御託を並べていないで、しっかり稼ぐ、そのお金を元にさらに投資して増やす、そういう資本主義的な裕福さをちゃんと見つめて欲しいものです。
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