私の投資履歴書~インデックスを添えて~

モノクロさん家(チ)の運用記

全世界への長期投資で地味かつ着実に資産が形成される(予定)

連続増配株で市場平均が上回れる?

インカム系投資の文脈で、連続増配株が市場平均を上回れる、ひいてはインカム系の投資が良いという話を目にします。一理ありますが、連続増配しているからアウトパフォームできるわけではないというのが私の意見です。

 

連続増配で市場平均に勝つ?

インカム重視が前提にあり、それを支えるものとして引っ張るような逆引きで連続増配株の優位性を語るのは少し主従関係のミスリードかなと思います。連続増配株であれば市場平均を上回れるというのは実際計算すれば存在する事実だろうと思いますが、故に連続増配=市場平均に勝てるというのは因果としては拡大解釈かもしれません。

 

連続増配の主従関係

そもそも一般論として、連続増配できる企業というのはそれだけ毎年業績が伸びているという事です。EPSが維持、減少していく中で配当だけ増やし続けるのは一般的な経営判断ではないでしょうし、いつかは不可能になるという点で持続可能性もありません。なので、連続増配ができるという事はそれだけ業績も伸びているという事になります。

 

株式のトータルリターン

企業業績が伸びているという事は当然株主にとっても魅力なので、きっと株価もコンスタントに上昇し続けるのが普通の考えです。株式のリターンはキャピタルゲインインカムゲインなので、トータルリターンとしてはこの2つが共に伸びていれば素晴らしい株主還元となります。インカムゲイン至上主義になるとキャピタルゲインを疎かにするのですが、指数対比で考えた場合、キャピタルゲインを抜きに市場平均に勝つのは相当難しいハードルになるでしょう。

トータルリターン=キャピタルゲインインカムゲイン

であり、片手落ちの状態でトータルリターンに勝とうとする話になります。しかも理論上、キャピタルゲインは青天井であり、インカムゲインよりも伸び(下落も)のスピードが段違いに早いです。

連続増配の企業にも様々なフェーズがきっとあります。低成長だか着実に1セントずつでも増配する企業、成長期を抜けるくらいのフェーズで一定の成長をしつつ高い比率で増配してくる企業、など。基本的には前者のリターンは小さく、後者のリターンはキャピタルゲインも付いてくるので高くなる傾向にあると思います。

 

連続増配株の中の成長株

結局の所、高い増配を連続でできる企業というのはそれなりにやはり成長しているのであり、増配株の中でも成長フェーズにあるような企業が当てはまるという事です。イメージ的にはビザとかでしょうか。いずれにしても、連続増配それ自体に市場平均を上回る力があるのではなく、高い率での連続増配ができるほどの企業成長をしている企業に市場平均を上回れる力があると解釈できます。その意味で連続増配は目的ではなく1つのKPIであり、連続増配しているから市場平均に勝てるわけでも連続増配しているから凄い企業でもないということではないでしょうか。

言葉遊びのようなものなので本質的ではないのかもしれませんが、物事の事象をすべてインカムの文脈で処理しようとすると齟齬が出てきます。トータルリターンはキャピタルゲインインカムゲインであり、片手落ちではすべてを語れない場面が出てくるだろうと思う次第です。

 

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