インフルエンサー系のアカウントをふと見ておりまして、想像以上に何をいつ買うか具体的に聞きて投資判断する人がいるんだなと思いました。
誰もが通る道
投資をしたいけどどの銘柄を買ったらいいか分からない。銘柄だけ教えられても、いつ買うのか分からない。いつ売って良いかも分からない。教えて欲しい。
こういうニーズは本当に強いんだなと思いました。教えていただきありがとうございます、のオンパレードで一種そういう宗教的なものの空気感を感じるものです。またそういう教祖的な人って色んな所にいらっしゃって、それぞれ村があるというか、それぞれに付き従う人たちがいるようです。色んな所で村ができています。
何を買えば良いか分からないというのは誰しも一番最初には思う事です。バフェット銘柄を参考にすることも含めて、最初はとりあえず偉人だったり先駆者だったり”先生”だったりの教えを請いながら、そういう意味で真似をしながら投資を始めるのは自然だと思います。私自身も米国市場のIPOブームで某氏にはお世話になり、次はどれ、これはいつ、と考えていた時はありました。今となっては彼自身が別世界に行かれた事、ポジションも損切りすることでいい思い出として残っています。
私もそういう自分から脱却しようともがいている所です。自分の判断でやりたいと願いながら、それでも誰かの意見を聞きたいと思って検索を掛けることは日常です。やっぱり背中を押して欲しいという思いはなかなか消えないのです。それでも、自分の投資ができるようになりたいと日々悩んだり無駄な取引をしながら苦しみ楽しんでいる真っ最中です。
先生と敬い罵られるプレイ
教祖的な人を”先生”と呼ぶのも一つのしきたりです。
先生、いつもお世話になっています。
先生、教えていただいた銘柄で利益が出ました。
先生、この銘柄はどうでしょうか。
先生、私はどうしたらいいでしょうか。
先生が言う事やる事をとにかく忠実にこなそうと懸命に、そして健気に頑張る光景がそこにはあります。優しい先生もいれば厳しい先生もいるようで、ふと見たスレッドでは、
「何回ゴミ株をトレードするの?君投資向いてない。」
そんなことを自分のコメントに対して書かれて「ありがとうございます。精進します。」みたいなやり取りがなされていました。健気が過ぎるのです。全世界に公開処刑、そんな感じです。
アカウントの先にどんな人が画面を見ているのかは全く分かりません。プロフィールには何千万とか何億とか資産があるように書いてありますが、本当はどうなのかは結局分かりません。何より、投資の世界ではバフェットのような”超絶”金持ちもいるのであり、数千万円、数億の規模というのはそんなに凄いことでもないという見方もできます。(ただ個人として数千万、数億を作り上げていることに対しては素直に凄いと思います。)
いずれにしても、先生先生と尊敬してみた所で、画面の向こうに座っているのは社会不適合者のただの汚いジジイ(失礼)かもしれないのです。冗談半分ですが。
結局、投資は自己責任と口酸っぱく言われるものの、誰しもが背中を押して欲しい、もっと言えば手っ取り早く稼げるやり方を具体的かつ再現性高く教えて欲しいのであり、自ら火事の中に飛び込んで苦労しながら稼ぐみたいなことをやりたくはないのです。私もそこからなかなか抜け出せないので、単純な他人への批判ではありません。
よくインデックス投資をやっているだけで世の中の大半の人より金融リテラシーがある、上位何%には入るみたいな言われ方があります。それになぞらえて言えば、本当に自己判断ですべてを考え、自らの意思決定において投資できているのであれば、実績はともかく世界の上位1%には入るかもしれません。そんなことを思いました。
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