
投資を続けていると、金融の話にもだんだん慣れてきます。ニュースに出てくる言葉が分かるようになるのはうれしいものですが、見覚えがあるだけで、意味まで分かったつもりになっていることもありそうです。
存在しない用語まで知っている
米国心理科学会が紹介した研究では、100人に、自分は金融にどのくらい詳しいかを評価してもらいました。そのあとで15の金融用語をどの程度知っているか尋ねています。ただし、このうち3つは研究者が作った架空の用語でした。
自分は金融に詳しいと答えた人ほど、その架空の用語も知っていると答える傾向があったそうです。詳しさは本人の評価なので、本当に知識のある人ほど間違える、という結果ではありません。
それでも、存在しない言葉にまで「知っている」と答えてしまうのは、ちょっと怖いですね。知らない分野なら素直に分からないと言えても、得意な分野だと、どこかで聞いたことがある気になってしまうのでしょうか。
どこに競争力があるのか
この研究を読んで気になったのは、自分が株を買う理由も、どこまで分かって話しているのだろうということです。
例えば「競争力がある会社だから買う」という説明です。言いたいことは伝わりますが、どの会社と比べて、どこに競争力があるのかと聞かれると、そこから先はすぐに答えられないこともあると思います。
製品の性能がよいのか、価格が安いのか。ほかの会社に乗り換えるのが面倒なので、使い続けてもらえるのか。同じ「競争力がある」でも、理由は違います。
性能が理由なら、他社が追いついたときにどうなるかが気になります。乗り換える手間が理由なら、多少高くても使い続けてもらえるのかを知りたくなります。具体的に考えてみると、まだ調べていないことが出てきます。
買う理由を自分の言葉で話せるか
もちろん、説明できれば投資で利益が出るわけではありません。筋の通った説明でも、前提が間違っていたり、その後に事情が変わったりすることはあります。
ただ、説明しようとして言葉に詰まれば、そこは調べ直せます。「競争力があるから」で話を終えてしまうと、その機会もありません。
誰かの解説を読んで納得したときも、同じだと思います。解説を閉じて、その会社が選ばれる理由を自分で話してみる。さっきまで分かったと思っていたのに、うまく説明できないこともあるでしょう。
それなら、もう一度確かめればよいんですよね。自分のお金で株を買うのだから、買う理由くらいは、借りてきた言葉だけで済ませたくありません。
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