私の投資履歴書~インデックスを添えて~

モノクロさん家(チ)の運用記

全世界への長期投資で地味かつ着実に資産が形成される(予定)

日本電産は後継者問題を抱えるも別の問題も浮き彫りにした

日本電産が次期社長を発表しました。かねてより永守さんの後継者が決まらず、次の世代を誰が継ぐのか分からない状態がリスクとして指摘されてきましたが、今回の発表では後継者問題は継続しつつ、別の一面が非常に気になりました。

 

会見の内容

大前提として記事しか見ておらず、当日のニュアンスを含めて真意が別にあるのであれば汲み取れていません。ただ記事のみを見る人が海外も含めて多いと思うので、一つの感じ方であると理解ください。

以下、記事から気になる点の引用です。

www.bloomberg.co.jp

日本電産は2日、関潤社長兼最高執行責任者(COO)が業績悪化の責任を取るため同日付で辞任し、後継に3日付で小部博志副会長(73)が就任すると正式発表した。短期的な中継ぎ役としての起用で同社の懸念である後継者問題は未解決のままだ。

 

小部氏は1973年の創業以来、永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)を支えてきた最古参の幹部。現在は最高業績管理責任者やCEO補佐を務める。関氏(61)は一時、永守氏の後継者候補とみられていた。

 

永守氏は同日の会見で新たに社長に就任する小部氏について、学生時代からの後輩で「大番頭」の役回りで日本電産を支えてきたと紹介。小部氏の社長任期はそれほど長期間にはならないとの考えを示し、来年4月には副社長5人を社内から選定し、24年4月にはそのうちの1人を社長に昇格させる計画を明らかにした。

 

辞任した関氏について永守氏は7月のインタビューで、自身とは人生観や職業観、経営観が違うと評価していた。

 

この日の会見でも、日本電産ではトップは午前6時半や7時など早い時間帯に出勤して社員を待つという姿勢でやってきたが、関氏は「8時半とか9時に出勤してくる」状況だったとし、「社員より早く来るというものがあればまた違った姿になったんじゃないか」と振り返った。

永守氏はさらに、「罵倒叱責してほしいと思っている社員がたくさんいる。そういう社員は子分」との考えを示した。

 

永守氏はこれまで外部にいい後継者がいると考えて採用してきたが、それは間違いで実際には「わが社の社員の方がはるかに優秀」と分かったという。その上で、後継者選びで「時間がかかったのは、すべて私の責任」と語った。

 

私が特に気になったのは下線部です。

 

後継者が決まるわけない

まず率直に記事を読んでどう思われるか、世間の声が気になる所です。

私としてはなるべくして今の状態になっており、発信内容としてはグローバル企業でもある同社にとって何一つ好印象のない最悪の内容だなと感じたのが率直な所です。

日本電産は記事にもあるように、これまで外部から後継者候補を多数獲得してきては退社するというサイクルを繰り返しています。元シャープの片山さんもその一人です。

今回は社長を更迭するにあたっても、リリースには業績悪化責任と書き、会見でも散々な言われようで、価値観から合わないのなんの、最終的には外部人材に対してかなりのマイナス発言をしています。

また社風ともとれる子分思想ですが、社員は罵倒叱責をされたがっている、トップは朝何時に出社すべき、などかなりヤバいことを平然と言っています。昭和そのものというか、令和かつグローバル競争しているこの時代に時代錯誤感を感じずにはいられません。

読み手が本業の仕事でどういった企業に勤めているか、あるいは転職や外資勤務の経験があるないでも受け取り方は大きく変わると思いますが、グローバルはおろか国内でも標準的な在り方では到底ないように思います。

端的に言えばサクセッションに失敗している企業の一つが日本電産なわけですが、ソフトバンクファストリなど創業者が強烈過ぎる場合に、創業者をトレースするような人材を求めすぎていることは要因としてあると思います。

今回はまさにクローンを探していると明言しているようなもので、正直な所そんな人材は世界中探してもいないし、何より居ないからこそこれだけ会社を大きく成長させられたんでしょう、と思うわけです。

これまでに何度も外部人材を獲得しては辞めを繰り返していますが、結局社内にある価値観に準拠し、永守さんの考える通りに動けない限りは無理なので、外部人材が能力発揮できる場所ではないのだろうと容易に想像されます。最後に外部より内部人材の方がはるかに優秀、とありますが、この発言自体、外部市場に対してのイメージダウンと、社内に対してもモチベーション向上になるのかよくわからない発言で意味不明なのですが、そもそも優秀であるかどうかよりも、フィット感としてどうかというだけの話のような気がします。

クローンを探していること、準拠しなければいけない価値観や発想が強烈なこと、以上から後継者が決まることなんかないのだろうと思います。

 

グローバル企業として問題を感じる

永守さんの経営者としての凄さは誰しも感じるし認めるところです。私のような凡人からどうこう言う権利もないと承知していますし、数々の栄光を否定しようとは思いません。

ただ市井の一個人として、グローバルで事業展開し海外と戦っている企業として問題なのではないかと正直思います。記事を見て違和感を覚える人たちは相当数いるだろうと想像されますが、今後の経営において外部人材を使わずしてどうするのか甚だ疑問です。(エグゼクティブ以外でも中途採用は当然普通にあることなので。)

私は日本個別株をこれから買っていこうとは思っていませんが、ホルダーであれば売りますし、今後も買うことはありません。

創業者が物理的にいなくならない限りは、本当の意味で後継者問題は解決しないのではないかと思います。GAAM(Meta除く)は創業者がもう一線にはいませんが、こういう割り切った立場の譲渡ができないことに、日本企業の弱さがある気がしています。

 

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