新NISAは同所得の世帯間に資産格差をもたらすものだと確信しています。足元の日本株は好調なこともあり、投資をやってみようとする人は多いと思いますが、投資の素晴らしさ以上に投資の冷徹さに目を向けるべきと思います。
投資をすれば薔薇色
投資系の情報発信が盛んな時代になりました。Twitter、ブログ、投資情報の収集に困る事はありません。また大成功したベテランから、投資し始めの初心者までその書き手も豊富です。
投資がいかに良いものであるか、取り組むべきであるかを論じる情報は多いです。指数は右肩上がりで来た、とか長期で投資すれば損しないとか。はたまたレバレッジが良いぞ、などなど。しかし私個人としては投資をすれば薔薇色の人生が待っているかのような情報発信にはあまり価値を見出しません。見るべきは投資の冷徹さであり、悲惨さであると思うからです。
投資を始めるにあたってはインデックス投資を理解することが肝要だというのが私のスタンスで、個別株などは後からやっても上手くできればインデックス投資の収益など超えてくることはあります。インデックス投資で悲惨な投資結果になるのであれば、それはもう誰もが損するような状態なので、まずベースとしてインデックス投資の理解が必要だと思っています。
しかし、見るべきはインデックス投資や投資を褒める素晴らしいとするメリット情報よりも、投資をして失敗した、撤退した、そういうネガティブな情報であると思います。
評価はネガティブを見る
インデックス投資は安心であり、年収が高くなくても資産数千万円が築ける。そういう話は”射幸心”をくすぐります。年収300万円の自分でも資産1,000万円作れるんだ、と目が輝きます。
しかしそう容易い話でもありません。勿論実際にそういう人はたくさんいるでしょうし、全く不可能な話でもありません。しかし、年収300万円だと手取りで240万円程度、逆に言えば逆立ちしても年間240万円以上投資することはできません。(配当がー、とかはまた別の話。)現実的には生活費で出費がある訳なので、月10万円で暮らして年間120万円投資できたら御の字じゃないでしょうか。資産1,000万円まで銀行預金であれば9年程度になります。それでも紛れもなく立派なのですが、月10万円の生活がどんなものかという話もあります。
そこで出てくるのがリターンな訳で、投資をすることでその9年が8年、7年、6年、5年になる、というのが良くある投資押しの話です。そしてそれを突き詰めていくとレバレッジに集中投資みたいな話まで出てくるようになります。
レバレッジで失敗するとどうなるのかを知らないといけません。
”安心安全”と言われた(揶揄です)インデックス投資ですら続けられなかった人が山のようにいることを知らないといけません。
投資しさえすれば薔薇色の人生があるのであれば、なぜこうも世界中の人が裕福になれないのかを知らないといけません。
投資で楽して稼いでけしからんという意見がいかに事実誤認か知らないといけません。
投資の冷徹さを知らないといけません。
それを知り、覚悟して臨んでこそ投資の利益に与ることが出来るとも思います。インデックス投資は楽だ、放置すればいい、そういう話を実践することの困難さを乗り越えないといけないのです。
投資によって得られた薔薇色の話はそこそこに、投資の世界に転がる屍がどういうものなのかを直視し、その上で覚悟を決めて資金投下し続ける気概が大事です。そうでなければ月10万円の生活を何年も続けたうえで、資産もできはしない、そんな元も子もない結果になりかねません。
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