来年から始まる新NISAですが、1,800万円の非課税枠は最短5年で充足させることが出来ます。しかし、そういう論が横行するほど楽でも現実的でもないものと”一般的な”感覚は大事にしたいものです。
アッパーマス層
よく登場する野村総合研究所の三角形ですが、資産3,000万円以上5,000万円未満に該当するアッパーマス層は13%程度存在するようです。それ以上の階層を含めても全体の20%程度です。
翻って、新NISAでは一人1,800万円の非課税投資枠が設定されますが、世帯の考え方では夫婦で3,600万円になります。つまり、非課税枠を充足させた時点で元本としては3,600万円投資できることになり、基本的に利益が出る(出したい)わけなので4,000万円とかの資産を保有している状態になります。先ほどのアッパーマス層の話に戻れば、新NISAを使い切れた家庭は即ちアッパーマス層であり、利益の出方次第ではさらに上の準富裕層に到達する可能性すらあることになります。
アッパーマス層到達という話はよくあるもので、階層が変わる1段階目なのでそういう意味では節目になりますが、新NISAが制度上有すると考えられている非課税投資枠というのはそういう規模感の物であると改めて感じるのです。
投資界隈の感覚狂い
1,800万円というのはそんなに多くも無いと思ってしまう自分が居ます。投資の世界は資本主義の極みですから、資産規模を見ると上にしか世界はありません。アッパーマス層ですらTwitterなどではたくさん見つかりますから、3,000万円くらいだと目が飛び出るほどのことには思われない感覚になってきます。しかし前出の通り、3,000万円以上を有する世帯は全体の2割しかおらず、当たり前ですが”普通”と呼べる位置にはありません。新NISAの最短充足論が結構異常な論争や意見であると言えるかもしれません。
投資の世界を見ていると、どれだけ資産を積み上げてもまだまだと思うし、実際に大きく儲けている人もたくさん見つかるし、そういう意味ではなかなか自己肯定感が高まりにくい環境なのかなと思ったりします。預貯金が過半を占める国で投資をしていること自体が結構レアなのですが、そのレアの中に一旦入ってしまうと感覚がそれまでの頃とは大きく変わってしまいます。
まだまだだと思う気持ちはある種の向上心でもあるので大事だと思うのですが、それでもどこまで行っても満足できないような感覚に陥ってしまうのも幸福感が高まらず別の問題に発展しそうだなと思ってしまいます。客観的な視点は持ちながらも、主体的に自分の資産額を肯定して上げられる気持ちも持っておきたいものです。
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