世の中には自分でコントロールできることとそうでないことがあり、どちらが多いかと言えば自分でコントロールできないことの方が多いように思われます。変数への意識を変えていくことが、自分の人生を生きるという事に繋がると思うようになりました。
何者かになること
かなり長い間、何者かになろうと藻掻いていました。何かは分かりませんが、今とは違う憧れの何者かになろうと仕事をしてきたように思います。
結局の所、何者かが何かはてんで分からず、とりあえず人から凄いと言われる自分でありたいとどこかで望んでおり、無いものねだりや人を羨んでは嫉妬し、機嫌を害すようなことをしてきたわけです。
今でも人のことを羨ましいと思う事も、嫉妬することも良くあるし、人に勝っていれば機嫌も良くなり、誇らしい自分が顔を覗かせることもあります。これ、人間という生き物のDNAレベルで刻まれた反応だと思い至るわけです。
隣の旦那は僕の人生を左右しない
政治に停滞感のある昨今、少子化対策やら低所得層への支援やら、お金が飛び交う様子を見ては文句の一つや二つ、100や1,000は言いたくなることがよくあるでしょう。毎年恒例の公務員の賞与額報道、大企業の賞与額報道、昇給率の動向。ツイートのコメント欄を見ると心も荒んでくる思いです。
隣の旦那が年収1億円で、フェラーリに乗っていて、資産も億単位で持っていて、家族睦まじく暮らしているとか、女をとっかえひっかえしているとか、不倫しているとか。
羨ましさや嫉妬、そんなものが湧いてきては隣の旦那を責め立てるような状態。でもそれって本当に自分の人生に重要な事なんだろうかと思ったりします。
隣の旦那が大富豪でも、極貧でも、結局の所私の財布から何かを取っていく訳でもなければ、彼の財布から私が何か取っている訳でもありません。要は全く私の人生にとって関係ない存在なんですよね。
もちろん交流を通じて開眼し、自分が起業して裕福になるとか、不倫に目覚めるとか、自分の人生が変わる機会になることもあるでしょうが、そういう意味ではなく、直接的な何かのやり取りとして人生の変数かと言われると全くそんなことは無いというお話です。
自分の人生を生きる
お金ほど横ぐし刺して比較できる有用な物差しはありません。数値で明快だし、多い程良いという極めてシンプルかつ定量的な物差しです。
故に人のことを羨み嫉妬し、人を見下すためにも良く使えます。しかし人生の幸福度を測る数多くの要素の一つであり（もちろん要素としての占有率は結構高そうではある）、それがあるから必ず幸せとも言えません。人生の評価はそう簡単ではないからです。定量的な指標だけでなく、定性的な項目が結構な割合を占めているようにも思います。
ともかく自分のアンコントロールな変数に着目して、その変数をどうにか動かすことで自分の人生を変える、幸福感を高めようとする人が結構いる事に気付きますし、何より自分自身もそうだったと思うのです。
しかし、変えられないものは変えられないし、自分に与えられていないカードを行使することもできません。駄々こねても、与えられた手持ちのカードしか手元にはないということです。
投資も数字の世界なので、色々ネガティブな感情渦巻く界隈ですが、相続で何千万手に入れることも、投資で大成功することも、どんなことでも結局手持ちのカードに無ければ自分にはその世界線が無いし訪れません。無いもの、手元に無いカードを必死に求めたり、あるいは相手から手持ちカードを失わせることで自分がどうにかなるんじゃないかと期待することはあまり得策ではないように思われます。
自分に与えられたカードを使い倒し、人より恵まれたカードは武器に、人より劣るカードはマイナス効果を小さくし、自分の人生へフル活用する道を探っていきたいものです。
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