新NISAの方向性が出てきています。中間層の資産形成支援として設計された新NISAは、中間層に対して残忍な結果をもたらすかもしれません。
新NISAの概要
新NISAの概要が明らかになってきました。
現行ベースで年間非課税枠は
- つみたてNISA相当は年間40万円から同120万円
- 一般NISA相当は年間120万円から同240万円
へと拡大するようです。また生涯投資枠として1,800万円が設定され、つみたて部分と一般部分の併用が認められるとの内容でした。
総じて、一人あたり年間360万円の非課税枠を持ち、1,800万円(恐らく投資元本)に到達するまで追加投資できるということです。なお、1,800万円の生涯投資枠について売却等により枠が補充されるのかよく分かりません。(できるかな?)
現行のジュニアNISAに相当するものがどうなるのか分かりませんが、既婚の場合は一人当たりの枠が当然倍になります。
年間720万円の投資枠、生涯投資枠3,600万円となるためにかなり拡充された印象がありますね。
新NISAが中間層にもたらすもの
新NISAは中間層に対して格差をもたらす兵器となりえると考えています。
今回の検討内容により、年間360万円の投資枠は月30万円に相当するため、一般的な家庭においては枠が余って然るべきですが、非課税期間の恒久化もあって投資を続ける家庭にとっては大きな武器になっていきます。
新NISAを契機に資産形成を進めていく人たち、制度を活用せず現状の延長線上で増やしていく人たち、制度を活用するがカモられて資産を失う人たち、中間層がそんな感じで分断、分かれていくかもしれません。
中間層にとって、新NISAは残忍な結果をもたらす兵器なのかもしれません。
カモ狩りの夜明け
新NISAは証券会社、ネット上のインフルエンサーやマーケターにとって格好の営業トークになります。既に誤った投資の考え方や言説がまかり通っていますが、資金を手繰り寄せようと初心者中心に狩っていきたいと思っていることでしょう。
”NISAを使えば資産が増える”わけではないという事が大事になります。
NISAはあくまでも収益に対する課税分の免除なので、投資収益が無ければ何の役にも立ちません。投資に乗り出そうとする人たちは絶好の収益機会になるという一面を意識したいものです。もちろん私自身もこれからも注意しないといけません。そして万一カモられたら、自責で学んで以後回避できるようにするという事ですね。
投資は自己責任でお願いします、の言葉の不条理さと本当の恐怖を感じてからが本当のスタートかもしれません。
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