6月は米国株、日本株共に好調で、円安もあって多くの人が資産最高額を更新しているように思われます。実際にそういった声は多いように見えますし、私自身もそうでした。一方で、臆病な私はドル円を恨めしく眺めています。
それは複利の効果か?
複利の効果は絶大で、線形のグラフを作ると時間が経つほどグイグイと上がって行く線が美しいものです。これまで一定期間投資をしてきて資産額を積み上げてきた人にとって、今年はその立ち上がりを感じられる年になっているのかもしれません。
しかし一方で、これは本当に複利の効果なのか?という疑念もあります。紛れもなく複利の効果は働いており、それ自体否定するものでは全くないのですが、私が気にしているのは”円安”の影響です。特に私のようにポートフォリオに占めるドル資産が多い人にとって、円安により円換算された評価額は高く出ていることになります。足元で144円/ドル程度になりますが、100円、110円、120円といった水準になじみがあるととんでもない下駄を履かされているようにも思うのです。
これまで投資をしていれば、間違いなく配当的にも株価的にも複利の効果が働いています。それは間違いないですが、この円安がどうも気になって仕方ありません。
逆流すると資産は崩壊する
あくまでドル資産が多い場合になりますが、今の米株高円安はこの上ない資産増加のスピードを叩き出します。ドルベースの株価が上がり、それを円換算することでドルベースの投資額に対して2重に加速がつくことになります。実際、米株が下がりつつも金利差によって生まれた円安で下落のダメージは日本人にとって緩和されていることもこれまた事実で、株価の下落による傷は体感としてドルで暮らす人に比べれば相当浅いと言えると思います。下落下落と騒いでみたものの、その強さは現地の人に比べれば小さいと言えるのです。
翻って、株安円高になるとこのスピードがそのまま反対に働くことを意味します。この増加スピードそのままに資産が円ベースで目減りすることになり、その意味では大した株価の下落でなくても想像以上に資産が棄損する可能性も体感上はあるということになります。私が恐れているのはこれに他なりません。
為替に詳しくないので細かい議論はあるんでしょうが、基本的に金利差が主因であると考えています。その場合、アメリカの金利は天井が見えてきましたし、日本も金利は上げの方向で色々ウォッチされているかと思います。いずれにしても、金利差はアメリカが下がるか日本が上がるかで縮小し、それに伴って円高方向になるだろうと思います。一方、アメリカの金利が下がるという事は景気が悪いかもしれないので、株価も下がるのかもしれません。大きな枠組みとしてそんなことを思うわけです。
実際リセッションが来るかは分かりませんし、株安円高の局面がどの程度続くのかも全く分かりはしません。何より、そういうことを細かに推測したとして、為替を主因に投資内容を変えることが私は無いので、この先どうなろうと今の投資を続ける他ありません。しかし、事象としてそうなれば結果的に資産は減るので、覚悟だけはしておきたいと思うのです。
資産の増加スピードは減少スピードとも表裏一体のように思います。色々な組み合わせで資産の推移は決まるので一概にこれだけが動向でもないのですが、資産最高額に湧く世間を横目に、一人部屋の隅で恐怖に打ちひしがれております。
↓ポチっと応援よろしくお願いします↓